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4.イモラ国際ピアノアカデミー~入学試験~

友理が合格できた大きな理由の一つに若いと言うことがあったと思います。
しかし2008年の経済危機からは様子が変わってしまい全員入学できるようになりました。
それまでは本当に入るのが難しかったアカデミーですが資金が不足しているのでしょうか、
簡単に入学できるようになったそうです。
友理は17歳で入学しましたが若すぎて
ヴィザが取れなかったのでずいぶん不安な思いをしました。
行くならやはり高校卒業してから、
あるいは大学卒業してからの方が良いと思います。

もう一つ、入試で異色だと思ったのはレパートリーの提出でした。
日本の音大は課題曲や自由曲を弾くのみでレパートリー提出なんてありませんが
イモラアカデミーの願書にはレパートリー記入がありました。
これはとてもいいアイデアです。
試験やコンクールのために何ヶ月も何年もかけて同じ曲を弾いて
完成度が云々というのは10代の育ち盛りの子供には私は勧めたくありません。
若いうちにたくさんの重要な曲に触れる方がいい。
満遍なくいろいろなものをたくさん食べてこそ丈夫な体になるのです。
その点では友理はコンクール曲中心にさらってきていなかったので
内容の仕上がりは別として系統的に弾かせており曲数も豊富でした。
これも友理の入試には有利に働いたと思います。
(レパートリーにバッハの三声やチェルニー練習曲は入れませんよ^^;)

話がそれますがショパンやチャイコフスキーコンクールのために
”5年間同じ曲をさらい続けるのなんて今どき普通よ。”
と言われたことがあります。普通かもしれないけど私はとても賛成できません。
そうしないと入れないコンクールは本人にとってはそもそも向いていないと思います。
古典がうまく弾けない。バッハを(平均律)弾かない。
コンクールの曲ばかりを断片的に拾って弾くのは本末顚倒です。
もしこういう事が今後、常識となってくるとどうなるのでしょうか?

子供は(過去に勝ち負けにまつわる特に嫌な経験があった子供は別ですが)
生来ゲームが好きと同様、勝ち負けの競争が好きなものです。
その際に大切なのは大人がその勝負の価値を見極めてあげることです。
反対に子供でなく親御さんや先生が競争が好きなケースも多いようです。

どんなときであってもまずは子供のその時その場の身体心のバランスを
第一に考えてあげるべきです。
ただ、親御さんはもうその渦に入っているのでわかりづらいですが。。。
親子でコンクールや塾での競争に熱中しすぎて血迷っていませんか。
燃え尽きそうになっていませんか。
かわいい子供たちを長い目で育てようじゃありませんか。
                             つづく
by studioacanthus | 2007-11-16 20:51 | 音楽
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