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7月13日 ピティナ特級Ⅱ

今日は友理の帰国日、5時に目覚めてしまいました。

さて、特級の選曲について感じたことを少しだけ。
私が学生だった頃はエチュードといえばショパンを指していました。
しかし、今ではショパンを弾くと不利だと言われているせいなのか、
人を圧倒させるような選曲が一般的に多いようです。
特級の一次予選はショパンを除く作曲家からの選曲なのでショパンは弾けません。

そこでショパンを除くエチュードで幅をきかしていたのがロシアものでした。
エチュードに限らずなぜかロシアものが多かったです。
もっと言うなら爆音系の曲が多かったのです。なぜでしょう?
ごまかしがきくとでも思って選んでいるのでしょうか。(学生の頃は私が思った^^;)
あるいはラフマニノフ、スクリャービンを純粋に受験者たちが好きなのでしょうか。
流行っているからかもしれません。

これらの一部の曲は皮肉なことに体格的に断然男の人が有利です。
外国人にはCからGまで届くピアニストはたくさんいらしゃいます。
ソ-♭シ-♭ミ-ソ-♭シの和音がいっぺんに軽くつかめる外国人、います。
そんな人がいる世界に普通の日本人女性がどう立ち向かっていっても・・・・
体格的に永遠に不可能なのです。
それなのに頑張ってついラフマニノフの和音だらけの曲を弾いてしまう。。。
その弾いてみたい気持ちが分からなくはない。しかしいずれにせよ、
好きなら良いのですがコンクールのためだけに弾かれると悲しい。。

私が爆音系の曲を弾かれた人でよい音と思ったのは2人だけ。
そのくらい美しく大きな音を出すのは難しいのだと感じました。

審査員は何人もの演奏を続けて聴いています。
続けて聴いている立場のものから言うとロシアものが出てくると
(またか・・)と聴く前から拒否反応を起こす場合もあるかと思います。
ですから、逆にたまにドイツものフランスものが出てくると
ほっとしてしまうこともしばしばです。
(このくらいのことを見通しておられた方も少なからずいました。)
これは、コンクールという他者との比較から生じる不公平なんですが、
コンクールである限り避けて通れないものです。

それと、皆さんが組んでこられたプログラムを見て、
もし自分が演奏会に行くとしたらどのプログラムのコンサートに行きたいですか、
と質問したらどうでしょうか。
なかなか行きたいプログラムは見つからないのではないでしょうか。

コンクールにはそれ用に組んだ方が確かに良いのかもしれません。
しかし、自分が聴きたいプログラムを作るということも私は大切だと思います。
聴く人の気持ちになって。

以前も書いたかと思いますがコンクールを受けられる年頃は
それを目標に頑張れますが受けれなくなった歳になったときが正念場です。
勉強で言うなら試験や偏差値があるときの方が幸せなのです。
それがなくなった時どうやって生きるか。。。
若い時代を真剣に一生懸命生きてもらいたいです。

                                つづく
by studioacanthus | 2006-07-13 08:53 | コンクール
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