その数日前、学校の事務の方から急に電話があったのです。 『ユリ、グッドニュースよ!あなた奨学金もらえるわよ! だから月曜日のセレモニーで何か弾いてね!』 『え?奨学金???どういうこと・・・?』 奨学金についてなど全く知らなかったのでどうして私がもらえるのか そのときは訳がわかりませんでしたが、後で聞いたところによると あるイタリア人の方が私の名前を推薦してくださっていたそうです。 月曜日に何か弾いて、と言われても、数日しかなく、こんな急な本番は 初めてだったので少し焦りました^^; そして、セレモニーなので演奏時間は限られており、 受賞者全員が弾けるわけではない、ということ、 弾ける人はくじで決めるということなどを知らされました。 さて、誰が弾くのか知らされないまま、当日のリハーサル。 そのリハーサルのときに 『誰が弾くかは、本番舞台の上でお客さんの目の前でくじ引いて決めるからね~』 なんと心臓に悪い!本当に直前の直前まで自分が弾くかどうかはわからないのです! 本番前の楽屋でのことです。 友達が寒がっていたので、ホッカイロを貸してあげようと思い、 『使う?』と手渡したら、 『何これ!? あったかい~!』 その声を聞いて他の人たちも寄ってきて皆でホッカイロを触りながら感激しているのです。 『なんでこれあったかいの!? いいな、これ!どこで売ってるの??』 誰ひとりホッカイロのことを知りませんでした! 日本以外の国では売ってないんでしょうか。 『何が入ってるの!? 魔法の粉?』 『鉄(iron)だよ。日本語では『テツ』って言うんだけど。』 そろって『ケツ?』 ケツ・・・・(笑) 『ユリさぁ、これ日本でたくさん買ってきてイモラで売れば大金持ちになれるよ!! 』 グッドアイディアね~^^そうしようかな(笑) そして本番。夜9時からです。そして必ず遅れて始まります。 くじが引かれていき、やはり私の名前は呼ばれました。 結局時間に余裕があったらしく受賞者全員弾いたのですが^^; 私は時間の短い、でも中身の濃いショパンのエチュードop.10-1だけにしました。 一番慣れてる曲なんですが、やはり緊張はしました。 そして、今まで日本で音楽学校やスクールに一度も属したことが無い私は、 どこでなにをどう弾こうが全く気にしていませんでしたが、 今回初めて少しプレッシャーを感じたのです。 皆同じ学校の生徒、同じ街に住んでいるお客さん。 今までずいぶん自由に弾いてきたんだなと感じました。 しかしそんな思いもピアノの前に座ったら忘れます。 事務の方が、『彼女は日本から来ていてまだ17歳です。 エミリア通りに住んでいま~す!』と私の紹介をされたあと、 弾き始めました。 ホッ 無事終了^^ 舞台の上の自分の席に座ったとき、仲間が『すごく良かったよ!』 などの言葉をかけてくれ本当に嬉しかったです。 セレモニー終了後は皆でピザを食べに行き、帰ったのは夜中の2時でした。 なかよしお友達たちと一緒にバチっと。
by studioacanthus
| 2006-03-02 15:52
| コンサート関係
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のトップページ 渡辺友理 ピティナ「グランミューズな大学生」に紹介されました ピティナピアノ曲事典 音源提供ピアニスト 友理のブログはこちら 初めての方へ。 御訪問くださいましてありがとうございます。 美恵と友理の関係は母娘です。二人が気ままに書いておりますのでカテゴリー別、あるいはタグにてご覧下さい。東京八王子市在住。 娘(友理)は現在、イタリアの ボローニャ大学言語・外国文学学部在学、及びイモラ国際ピアノアカデミー、ピアノ科在籍。 ダブルスクールしています。 ボローニャ在住。 (友理のものはカラーペンで書いています。) ボローニャ大学は?ここ イモラは? ここ アカンサスとは?花の名前 検索
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