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1月22日 ショパン入賞者コンサート 後半

 休憩後は話題の山本貴志さん。
彼は消えるピアニスト(弾いている姿勢が変わっているので
正面から見ると突然消える時があるらしい)とか鍵盤を舐めるピアニストとか
言われていたそうですが、初めて聴く演奏でしたので楽しみにしていました。

ノクターンの最初の響きで音を大切に弾かれているのがすぐ分かりました。
ただ、私としては少し自分の主張が強すぎるのでは、と思いました。
山本貴志作曲ならいいのですがショパン作曲なのでやっぱりショパンの心の
継承をして欲しいと思うのです。
ショパンコンクールでなくワールドコンペティションなら
優勝と言う感じの演奏でした。彼こそ個性の強い方かもしれません。

最後にブレハッチ。冒頭の和音は重心の低い豊かな音でした。
浜松で聴いたときは小品のためか線が細かったのですが昨日の演奏は
骨太でした。まず誰も真似できない、また誰からか教わったのではないだろう
ルバート、(まさしく彼の才能でしょう)日本で言う
あ うん の呼吸とでもいいますか、それがありました。
上品なフレーズと高貴な音、そしてごちゃごちゃ考えて演奏効果を
上げようとしてるわけでもないのに集中してしまう何かを持っていました。

特に感動したのは《ショパンをポリフォニー的に》弾いていたことです。
これはショパンの全ての曲には当てはまらないだろうけど
この美しいポリフォニーをコンチェルトで感じることは以前からなんとなく
私がやりたくても出来ないことでした。
それから何十年か後の先日、忘れかけていたことを
彼の演奏からふと思い出しました。
あれ!弾けてるじゃない!ポリフォニーで弾いているじゃない!

感激しました。

まだまだ細かいこと一杯勉強できましたが、打つのに疲れましたので
おしまいです。傷つけるようなことかいていたら、ごめんなさい。
by studioacanthus | 2006-01-22 23:07 | 音楽
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